歳時記
焼き鳥の串の先までご馳走様でした。

これは先日当院での出来事です。


「先生この子3日くらい食欲が無く嘔吐してしまうんです。」、「散歩に行っても便もせず、すく帰ってきてしまうんです。」
よくよく診察して飼い主さんに聞いて見ますと5日くらい前に、たまたま飼い主さんがお酒のつまみに食べていた焼き鳥を少しの隙に飼い主さんの目を盗んで焼き鳥を串ごと食べてしまったらしいのです。
すぐに気がついた飼い主さんはあわてて口の中に手を入れて串を取り出そうとしましたがその焼き鳥、異常においしかったのでしょうね。串の先端が一部取り出せただけで残りはゴックンと飲み込んでしまいました。


さてさてこんな場合飲み込んだ串はどうなるのでしょう?
「おそらくその串が食欲不振の原因でしょう。木の串は消化されませんので腸の途中で停滞しているのでしょう」
その後レントゲンを撮り、開腹手術となりました。
案の定腸の中で串は折れ曲がり腸の途中に引っかかっていました。
腸切開により串を取り出し無事回復に向かいました。

《注意》

今回は無事回復に向かいましたが、食べたものによっては腸が回復不能となり生命にかかわる危険もありますので重大な出来事です。
室内、室外の飼育に限らず身の回りにおいてあるものをすぐ口の中に入れてしまう癖のあるワンちゃんネコちゃんは(特に若いとき〈1歳未満〉に多いようです)
周りにものを置かないことが一番です。
そのほかいままでにボールや雑巾、ゴムひも、釣り糸などが詰まった症例を見たことがあります。
飼い主いの皆さん誤飲には注意してあげてください。


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